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川上幸之介さん|世界を変革するためのアートへ!

更新日:2022年8月8日



Gem Profile

川上幸之介

Kounosuke Kawakami


1979年 山梨県甲府市 生まれ。

岡山市北区在住。


ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ MAファインアート修了。倉敷芸術科学大学 准教授 専門は現代アート。最近の展覧会に 国際難民環境映画祭(カナダ 2021)、入管法改悪反対展(2021)、難民映画祭、(ドイツ 2020)ほか。最近のキュレーションにPUNK! The Revolution of Everyday Life ほか。



 

岡山との関係

倉敷芸術科学大学の准教授として働いています。

 

この人を紹介したいマイナー(=採掘者)

紹介者 松村 圭一郎 岡山大学文学部 准教授



マイナーからひとこと

世界を変革するためのアートへ!

おもに倉敷を拠点に、先進的な現代アートの展示企画を次々と実現させ、いま注目を集めるアーティスト兼キュレーター。アートと社会運動との垣根をこえて、日本で暮らす外国人労働者の問題などにも積極的に関わり、世界で評価される映像作品も発表されています。私に現代アートの世界のおもしろさを教えてくれた方でもあります。



マイナーが質問してみた!

現代アートって、どんなものだと考えていますか?

川上:大学で習う模範解答をいってしまうと、1960年代に現れたコンセプチュアル・アートの影響を受けた1980年代以降のアートシーンを指すと言われています。これに個人的な見解を加えると、ある時代の支配的な規範となる物の見方や捉え方によって作り出された抑圧的な面を批判し、抵抗するという側面を持っていたり、社会的・政治的なカウンターとして、少数派の人々の声を代弁する役割も負っていたりするかなと考えています。


いろんな注目を集める展示企画をされていますが、根底にある問題意識やメッセージなどあれば、教えてください。

川上:「価値観」です。私たちはなぜだか、「肩書き」だったり、お金を持つことだったり、流行にうまくのっている人が評価されたり、また、そんな価値観で世界を見ることを求められがちです。そんな価値観よりも、人を助けている人が評価されたり、誰もがありのままの自分を肯定できる社会であって欲しいという気持ちが根底にあります。


現代アートの作家で、いま注目しているお勧めのアーティストがいれば、どんな作品を創作しているかなど教えてください。

川上:私が人生で見た最も衝撃を受けた作品の一つが、2014年に亡くなってしまったガテマラのアーティストAníbal López(A-1 53167 ※)の作品「証人」(2012)です。内容は、プロの殺し屋を展覧会場に連れていき、その内容について語らせ、観客の質問に答えるといったものです。カーテンの後ろに座った影だけの殺し屋は、仕事について淡々と語りつつ、時に自戒の念を示します。一方、観客は、困惑と不信、時に失笑しつつ、殺し屋の中に善性を見つけ出そうと問答を繰り返します。この作品では見ている自分、そして鑑賞者の心情の大きな揺れが露呈させられます。  ※アイデンティティを喪失させた別名


活動の様子

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kawakami@kusa.ac.jp


掲載日:2022年5月24日

記事の情報は掲載時点のものです。

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