重くて暗い「戦争」「兵器」を製作テーマにしているが、不気味なのに愛嬌のある生き物や機械的な構造物はなぜか愛らしくて、いとおしいものに見えてくる。彼が一貫して取り組んでいる、このAtomaticsアートプロジェクトでは、Microtanks社という玩具会社を立ち上げ、大量破壊兵器など戦争で使われる兵器のおもちゃなどを開発、製作、発表、販売している。
この展覧会では、Microtanks社の事務所を展示室内に設けた。社内は、ショールーム、事務所、会議室、社長室、倉庫に区分けされており、まるで会社訪問するかのように作品を見ることができる。
留学先のイギリスでは、テロや戦争などについて若者たちが積極的に意見を交わし、自分の問題として受け入れていた。日本では近隣国から核の脅威にさらされているにも関わらずそのような事が語られることは少なく、むしろタブーと化していると感じられたという。私たちは、テレビの中のヴァーチャルな出来事のようにしか受け入れていないのかもしれない。佐藤は、現代社会に生きる戦争未体験者の1人の若者として、目の前にある圧倒的な脅威をユーモアでコミカルに描くことで受け入れさせようとしているのかもしれない。
天プラ・セレクション実行委員 下村亜紀子
岡山県天神山文化プラザ企画展 天プラ・セレクション Vol.05 佐藤亮太展 ATOMATICS
[会期]2007年1月23日〜1月28日
[会場]岡山県天神山文化プラザ 第3展示室
佐藤亮太
京都府京都市在住
2004 University College Falmouth 卒(イギリス)
個展
1998 addcit (ギャラリー8×8:岡山)
1999 実験用ロボット(ギャラリー8×8:岡山)
2007 toaru mami-chang world 展(ギャラリーtoaru:倉敷)
グループ展
1999 ホワイトカプセル(いけだ動物園)
2001 Falmouth Art Centre(イギリス)
サイト訪問者からの連絡受付
事務局経由で受け付ける
本記事は、平成18年度・19年度 岡山県天神山プラザ企画展 天プラ・セレクション 記録集より抜粋しています。掲載内容は発行時点のものです。
発行:「天プラ・セレクション」実行委員会
発行日:平成20年3月31日
装丁:永田広志
印刷:富士印刷株式会社
<記録集をご希望の方は、天神山文化プラザ文化情報センターにてご購入いただけます>
平成18年度・19年度 岡山県天神山プラザ企画展 天プラ・セレクション 記録集
岡山県天神山プラザ企画展「天プラ・セレクション」として2006年7月14日〜2008年3月23日の期間に開催された13人の個展の記録集として発行したものです。
<目次>
金盛秀禎 彫刻展|子供の詩|天プラ・セレクションVol.01
矢吹貴子展|COMME DES VIDEOS |天プラ・セレクションVol.02
中村智道展|ぼくのまち|天プラ・セレクションVol.03
金谷朱尾子 日本画展|天プラ・セレクションVol.04
佐藤亮太展|ATOMATICS|天プラ・セレクションVol.05
小林照尚展|連動(小林照尚の仕事2000〜)|天プラ・セレクションVol.06
十河隆史陶展「造形」と「しぐさ」|天プラ・セレクションVol.07
佐藤朋子―Landscape―展|天プラ・セレクションVol.08
前田穣展|A Certain State|天プラ・セレクションVol.09
佐藤史仁展|Swelling egoism,What comes next? 膨張する利己主義、次に何が来るのか?|天プラ・セレクションVol.10
福長香織展|―Somewhere―|天プラ・セレクションVol.11
藤澤人牛展|天プラ・セレクションVol.12
永田広志展|全て|天プラ・セレクションVol.13
カラー38ページ
税込1,000円
お問い合せ
〒700-0814 岡山市北区天神町8-54岡山県天神山文化プラザ
TEL 086-226-5005
FAX 086-226-5008
メール tenplaza@o-bunren.jp
受付時間 9:00~18:00
休館日 月曜日、年末年始(12月28日~1月4日)
「天プラ・セレクション」シリーズは、岡山県ゆかりの作家を選抜し個展形式で紹介する、天神山文化プラザの企画展シリーズです。 開催作家の選考は、推薦と公募の2部門から行います。