土という素材の持つ固有の質感や表情に惹かれ、これまで様々なものを作ってきました。陶芸の作品にとって「焼くこと」の大きな目的は作品に物理的強度を与えることです。しかしその造形物が焼き物である以上、他の素材では出せない魅力もこの「焼く」事によって引き出されるものでなくてはなりません。
今回この企画展で用途のある器から離れ造形的な焼き物を指向した若い頃の自分の作品をあらためて振り返る機会を得ました。焼くことを理性的に他の工程と切り離そうとした試み、そして器から離れようとすればする程「焼き物」的な引力に引き戻されようとしている自分の姿に改めて気付かされました。
我が国には長い伝統に培われた焼き物の歴史があります。この中にあって無意識のうちに自分の中に染みついたこの文化に素直に向き合うこと、今後はそれを自分なりに表現することを心がけていきたいと思っています。
十河隆史
岡山県天神山文化プラザ企画展 天プラ・セレクション Vol.07 十河隆史陶展 「造形」と「しぐさ」
[会期]2007年3月27日〜4月1日
[会場]岡山県天神山文化プラザ 第5展示室
十河隆史
岡山県玉野市在住
1998 岡山大学大学院美術教育専攻修了
2000 North Carolina Pottery Center Resident Artist, USA
2000 STUDIO T POTTERYを主宰
1997 焼き締め陶公募展 優秀賞
1999 「森で生まれた作品展」 滋賀県陶芸の森美術館
1999 朝日現代クラフト展
2001 アートウェーブ岡山・クラフト選抜展
2002 朝日現代クラフト展
2002 岡山県美術展 県展賞
2003 岡山県美術展 奨励賞
2004 個展(アートガーデン:岡山)
2006 個展(ギャラリーくわみつ:福山)
出品作品
「時の彼方」1994
「本の道」1997
「P-1」1998
「無題」2001
「風(詩:原 鈴子)」2002
「空と海と風と」2003
「陶石」2004
「火焔型花器」2004
「舟の器」2004
「モノノスガタ」2005
「土瓷花器(はじかき)」2006
「白の器」2006
「日常の器」2006-2007
サイト訪問者からの連絡受付
事務局経由で受け付ける
本記事は、平成18年度・19年度 岡山県天神山プラザ企画展 天プラ・セレクション 記録集より抜粋しています。掲載内容は発行時点のものです。
発行:「天プラ・セレクション」実行委員会
発行日:平成20年3月31日
装丁:永田広志
印刷:富士印刷株式会社
<記録集をご希望の方は、天神山文化プラザ文化情報センターにてご購入いただけます>
平成18年度・19年度 岡山県天神山プラザ企画展 天プラ・セレクション 記録集
岡山県天神山プラザ企画展「天プラ・セレクション」として2006年7月14日〜2008年3月23日の期間に開催された13人の個展の記録集として発行したものです。
<目次>
金盛秀禎 彫刻展|子供の詩|天プラ・セレクションVol.01
矢吹貴子展|COMME DES VIDEOS |天プラ・セレクションVol.02
中村智道展|ぼくのまち|天プラ・セレクションVol.03
金谷朱尾子 日本画展|天プラ・セレクションVol.04
佐藤亮太展|ATOMATICS|天プラ・セレクションVol.05
小林照尚展|連動(小林照尚の仕事2000〜)|天プラ・セレクションVol.06
十河隆史陶展「造形」と「しぐさ」|天プラ・セレクションVol.07
佐藤朋子―Landscape―展|天プラ・セレクションVol.08
前田穣展|A Certain State|天プラ・セレクションVol.09
佐藤史仁展|Swelling egoism,What comes next? 膨張する利己主義、次に何が来るのか?|天プラ・セレクションVol.10
福長香織展|―Somewhere―|天プラ・セレクションVol.11
藤澤人牛展|天プラ・セレクションVol.12
永田広志展|全て|天プラ・セレクションVol.13
カラー38ページ
税込1,000円
お問い合せ
〒700-0814 岡山市北区天神町8-54岡山県天神山文化プラザ
TEL 086-226-5005
FAX 086-226-5008
メール tenplaza@o-bunren.jp
受付時間 9:00~18:00
休館日 月曜日、年末年始(12月28日~1月4日)
「天プラ・セレクション」シリーズは、岡山県ゆかりの作家を選抜し個展形式で紹介する、天神山文化プラザの企画展シリーズです。 開催作家の選考は、推薦と公募の2部門から行います。